Geeksウェビナーの詳細はこちら

詳細



0 件
MLB

打者大谷翔平は何位!?MLB2018年前半戦打球速度ランキング!



目次
打球速度トップはヤンキースのジャッジ!
バレルゾーンって何?
「打者」大谷の能力とは!?

メジャーリーグもいよいよ後半戦に突入した。
オールスターでは過去最多となる10本塁打が飛び出すなど、今シーズンも「打撃」に大きな注目が集まった。
今回は打球速度を中心に打者のトラッキングデータをランキング形式で紹介し、メジャーリーグの2018年シーズン前半戦を振り返っていこう。

打球速度トップはヤンキースのジャッジ!

まずは、打球速度に注目する。打球速度は打者の打力を測るうえで最も注目されている指標の一つだ。
打球速度は高まれば高まるほど長打の確率は増える加えて、打球が速いとゴロであっても野手の間を抜けやすいくなるため、長打だけでなく単打も増えるという効果もあるのだ。打者にとって、打球速度を速くすることはとても重要だ。

では、平均打球速度のランキングをみてみよう。1位は昨シーズンに引き続き、ヤンキースのジャッジだった。

表1 2018年前半戦平均打球速度ランキング
順位名前
(チーム)
平均打球速度
(km/h)
A. ジャッジ
(ヤンキース)
154.6
R. ジマーマン
(ナショナルズ)
152.5
N. クルーズ
(マリナーズ)
152.2
M. カブレラ
(タイガース)
151.6
J. ギャロ
(レンジャーズ)
151.5
J.D. マルティネス
(レッドソックス)
151.2
R. カノー
(マリナーズ)
151.2
M. オルソン
(アスレチックス)
151.2
F. レイエス
(パドレス)
150.8
10K. モラレス
(ブルージェイズ)
150.6
※16大谷 翔平
(エンゼルス)
150.0

※50打数以上。メジャーリーグ平均は141.5キロ

平均打球速度が速いという事は、安定して速い打球速度で打てることを示している。ジャッジは安定して長打を狙える非常に優れた打者の一人といえるだろう。
また、大谷翔平は16位にランクインした。多くのタイトルホルダーに劣らず、メジャーリーグの中でも優れた打者と言って良いだろう。

バレルゾーンって何?

「フライボール革命」。この言葉は昨今のメジャーリーグの代名詞ともいえるだろう。膨大なデータから、ゴロよりもフライの有効性が明らかになった。さらに、スタットキャストの登場により「どんな打球」を、「どんな角度」で打ち出せば長打になるのかが明らかになったことで、多くのメジャーリーガーはフライを打ち始めたのだ。
そこで登場したのが「バレル」という指標だ。バレルとは打球速度と打球角度の組み合わせで構成されるゾーンのことで、バレルゾーンに入った打球は必ず打率0.500、長打率1.500以上となる(図1)。

図1 バレルの定義。打球速度と打球角度の組み合わせで、バレルゾーン(図中赤)に入った打球は長打になりやすい

この指標の出現により、メジャーリーガーは漠然とフライを上げるのではなく、このバレルゾーンを目指して打球速度と打球角度を意識するようになったのだ。

次に打球中のバレル割合をみる。バレル割合とは、打球の中でどれくらいバレルになったかをみたものだ(表2)。

表2 2018年前半戦バレル割合ランキング
順位名前
(チーム)
打球中のバレル割合
(%)
G. ギャロ
(レンジャーズ)
21.7
J.D. マルティネス
(レッドソックス)
19.5
M. マンシー
(ドジャース)
18.6
A. ジャッジ
(ヤンキース)
17.6
E. セームズ
(ブルワーズ)
16.8
M. デビッドソン
(ホワイトソックス)
16.6
T. ヘルナンデス
(ブルージェイズ)
16.4
K. デービス
(アスレチックス)
16.2
M. ベッツ
(レッドソックス)
16.0
10M. ズニーノ
(マリナーズ)
15.4
大谷 翔平
(エンゼルス)
7.6

100打球以上。大谷は95打球でランク外

バレルの最低条件である打球速度158キロで打った際には打球角度26°~30°の角度の範囲がバレルゾーンとなる。このバレルゾーンになる角度は、打球速度が速くなれば速くなるほど広がっていく。1位のギャロや2位のマルティネスは平均打球速度のランキングにも上位にランクインしており、長打を打つためにはやはり打球速度が非常に重要であるとわかる。
また、打球速度が高くともゴロ打球になってはバレルゾーンに入らず、長打になる確率が低い。長打を打つには打球速度を高めることはもちろんのこと「適切な打球角度」で打つことも非常に重要なのだ。

「打者」大谷の能力とは!?

「打者」大谷は平均打球速度が高く、メジャーリーグの中でも優れた打者であると紹介した。しかし、打球速度に対してバレル割合は高くなかった。これはまさに「角度」や「打球の質」が関係している。近日中に公開予定の「打者大谷分析記事」で詳しく紹介したい。

今回は、トラッキングデータから打者の様々なデータを紹介してきた。予想通りの結果であった打者や、意外な打者もいたかもしれない。あくまで打者の能力全てを現すものではないと前置きしつつ、このようなデータを活用した議論や指導が広がることを切に願う。

引用:http://m.mlb.com/glossary/statcast/barrel

スタンダードプランに登録無料すると

記事の続きや、コメントを読むことができます。

Baseball Geeks編集部