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MLB

田中将大2018年分析第1弾!カギとなる球種は好調時に近づいたストレート…!?



目次
球速は低下傾向。投球割合にも変化が…?
現代の魔球スプリットと変幻自在のスライダー!
活躍のカギは4シームの「伸び」!?
田中将大投手(以下敬称略)は、苦しんだ昨シーズンの雪辱を誓う

今シーズンの開幕を最も待ちわびていた日本人投手かもしれない。
田中将大の昨シーズンは、好不調を繰り返す不安定なものだった。2桁勝利をマークしたものの、同時に2桁敗戦を喫するなど田中らしくない投球も多かった。しかしながらポストシーズンでは素晴らしい投球を続け、もがいた末に今シーズンに大きな弾みをつけた。
迎えた今シーズンは、ここまで3試合2勝1敗という成績(4/17現在)を残している。
今回は、田中の今シーズンの投球をトラックマンデータで分析していきたい。

球速は低下傾向。投球割合にも変化が…?

まずは、田中の球種毎の球速と投球割合をみてみる。球速はメジャーリーグ平均(150キロ)を下回り、昨シーズンよりもさらに低かった(表1)。

表1 各球種の球速と投球割合
球種平均球速
(km/h)
投球割合
(%)
4シーム148→14714→15
2シーム147→14720→5
カットボール141→1414→2
スプリット141→13925→33
スライダー136→13332→41
カーブ124→1226→4

データは左から昨シーズン→今シーズン

投球割合に大きな変化がみられる。投球の20%を占めていた2シームの割合が大きく低下し、スライダーやスプリットが投球の中心となっていた

現代の魔球スプリットと変幻自在のスライダー!

では、今シーズンの田中のボールがどのような変化をしているのかみてみよう(図1)。

図1 各球種のボール変化量。メジャーリーグ平均(薄色黒丸)を逸脱する変化のボールが多い

スプリットとスライダーの変化が特徴的だ。
以前のコラムでも紹介したが、田中のスプリットの一部はトップスピンがかかっている。このボールは原点よりも下に到達し、打者の予測より大きく沈む現代の魔球なのだ
田中将大2017年分析 ~0.2%の魔球~

スライダーは、様々な変化のボールを投球している。最も投球割合の高いボールであるため、カウントを稼ぐボールと空振りを狙うボールを意図的に投げ分けているのだろう。

活躍のカギは4シームの「伸び」!?

今シーズンの田中は、スプリットやスライダーといった変化球が非常に大きな変化をしている。それだけに、4シームの出来が活躍のカギといっても良いだろう。
図2に2016年~2018年の田中の4シームのボール変化量の平均値をまとめた(図2)。

図24シームのシーズン別ボール変化量。2018年は好調時の2016年に近づいてきている

2018年は、好成績だった2016年に近い4シームになってきていることがわかる。田中はメジャー挑戦後、2シームの割合を増やしてゴロを打たせるスタイルを習得した。しかしその弊害か腕が「横振り」気味のフォームになってしまい、回転軸の方向がジャイロ気味になってしまったのだ。
今シーズンは2シームの割合を減らしている。より「縦振り」気味のフォームに戻れば、ホップ成分が高まり、空振りが奪える4シームとなるだろう。
参考:「ダルビッシュ、田中将大、上原浩治のストレートは変化球?」データで分析

懸念材料を挙げるとすると球速か。メジャーリーグは年々高速化が進む一方で、田中はじわじわと平均球速が落ちてきている。昨シーズンのような4シームでは再び本塁打を量産される可能性もあり、尚更4シームの球質が重要となるだろう。

4シームの質が上がれば得意の変化球の威力も増す

今シーズンのヤンキースの開幕投手は、ルイス・セベリーノに奪われてしまった。
抜群の成績を残し、再びヤンキースのエースと呼ばれる日を多くのファンは待ち望んでいる。

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Baseball Geeks編集部