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プロ野球

ロッテの新外国人ブランドンを分析!!投球の6割を占める動く速球でゴロを量産?!



目次
ロッテの外国人事情
4シームを投げない投球スタイル!
大きく曲がるスライダー
投球スタイルを貫くのか

今シーズン、ロッテにレイビンとともに新外国人投手として入団したのがブランドン・マンである。昨シーズンははレンジャーズに所属していたが、かつてはDeNAや独立リーグBC信濃に所属していたという異色な経歴の持ち主である。
今回は、そんなブランドンの投球をメジャー時代のトラッキングデータをもとに分析していく。

ロッテの外国人事情

現在、軸となっている外国人選手はレアード、ボルシンガー、チェンの3人である。残り1枠をブランドン、レイビン、バルガスで争っているが、十分に結果を出し切れていない。外国人選手が多いロッテは後半戦どのように起用していくのか注目ポイントの1つである。

4シームを投げない投球スタイル!

まず、ブランドンの球種別の球速と投球割合を見ていく。
注目すべきは4シームを投球していないということだ。投球の軸は2シームとなり、投球割合の6割近くを占めている。

表1 各球種の球速と投球割合。4シームは投げずに投球割合の約6割を2シームが占めている
球速球速
(km/h)
球速
(%)
投球割合
(%)
2シーム147.8
(148)
100
(100)
57.9
スライダー130.7
(136)
88.4
(91)
26.9
チェンジアップ133.1
(136)
90.1
(91)
15.2

2018年シーズンのデータを分析。カッコ内はメジャー平均

日本では多くの投手が4シームを持ち球とし、投球の中心としている。しかし、ブラントンは4シームを全く投げず、2シームを投球の軸にしている。球速は全球種でメジャー平均より低く、速い球で押していく投手ではない。メジャーの強打者相手に生き残る術を考えたうえでのモデルチェンジかもしれない。いわゆる「動く」速球を武器に、ゴロを打たせるような投球が特徴であろう。
参考:西武の新外国人ザック・ニールを分析!活躍の鍵は大きく沈む2シーム!

大きく曲がるスライダー

次に、ブランドンが投げるボールの変化量を見ていく。まず投球の中心となる2シームに注目しよう。

図1 各球種のボール変化量。ホップ成分が大きい2シームでも、打者には沈むように見える

2シームはメジャー平均よりもホップ成分が大きいが、多くの投手が投げる4シームに比べると大きくシュートして沈む球質である。やはりゴロ中心に打ち取る投手といえるだろう。スライダーは縦、横どちらの変化量も大きく、カーブとスライダーの間のような高速カーブ系の球質であるのが特徴だ。チェンジアップは逃げながら落ちるというよりは、速球よりもスライド気味に、縦に小さく落ちるようなイメージのボールだろう。

表2 各球種のボール変化量。スライダーの大きな変化量が特徴
球種球速
(%)
回転数
(rpm)
横変化
(cm)
縦変化
(cm)
2シーム100
(100)
2194.0
(2142)
-38.0
(-37)
33.2
(23)
スライダー88.4
(91)
2873.5
(2394)
26.8
(14)
-10.3
(4)
チェンジアップ90.1
(91)
1784.8
(1775)
-19.7
(-34)
14.1
(18)

カッコ内はメジャー平均

2シームはシュートが大きく、スライダーも横変化が大きい。左右の揺さぶりで勝負するタイプで、対左打者に強い救援投手のようなボールを投球している。ただし、日本ではメジャー時代より長いイニング・厳しい場面での登板を要求されるだろう。高速な変化球の取得や、チェンジアップの精度を高めることが必要かもしれない。
とはいえ、球速は日本の左腕では非常に高速である。課題を克服した暁には中心投手として活躍できるかもしれない。

投球スタイルを貫くのか

日本では珍しい2シームを主体とした投球をするブランドン。球速は150キロに迫る数字で、日本の左腕では非常に速い。再び日本に帰ってきた左腕はどんな投球スタイルで打者を手玉にとるのか注目したい。後半戦、チームの巻き返しの原動力になることを期待しよう。

動画:ブランドンのメジャー時代の投球

ブランドン・マン プロフィール

1984年5月16日生まれ、35歳、左投左打
デビルレイズ02-ドジャース10-横浜11-ナショナルズ・BC信濃13-パイレーツ14-アスレチックス16-レンジャーズ18-ロッテ19
メジャー成績
2018年成績 7試合 0勝0敗 防御率5.40

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Baseball Geeks編集部