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プロ野球

広島の新外国人投手テイラー・スコットを分析!球速140キロ越えの高速スライダーに注目!



目次
球速140キロ越えの高速スライダーを駆使!
シュート成分が大きな2シームでゴロを量産!
広島の救援陣底上げに期待!

リーグ優勝から遠ざかっている広島は今シーズンの中継ぎ強化のため、テイラー・スコットを獲得した。今回は日本球界初のアフリカ出身選手としても話題になった彼の投球を分析していく。

球速140キロ越えの高速スライダーを駆使!

まずはスコットの球速と投球割合をみていく。投球割合は2シームとスライダーの2球種で9割以上を占めている。また、全球種の球速がメジャー平均を超えており、球速の速さも彼の武器の一つといえる。

中でもスライダーは平均球速143km/h(速球比94%)とかなり高速で、投球割合の4割以上を占めていることからもこのボールが投球の軸になっていることがわかる。

表1 各球種の球速と投球割合。2シームとスライダーが投球の9割以上を占める
球種球速
(km/h)
球速
(%)
投球割合
4シーム152.4
(150)
100
(100)
7.9
2シーム151.9
(149)
99.7
(100)
49.2
スライダー143.0
(136)
93.9
(91)
42.9

2019年シーズンのデータを分析。カッコ内はメジャー平均

シュート成分が大きな2シームでゴロを量産!

続いて、各球種の変化量をみていく。投球割合が最も高い2シームはホップ成分が小さく、シュート成分がかなり大きいため、バットの芯を外してゴロを量産できる球質である。
参考:速球は最も飛ぶボール? 球種別で見られる打球特性とは

低いリリースポイントから投球されるうえに大きくシュートするこのボールは、まるでサイドスロー投手の速球のようだ。球速が速いこともあり、右打者の内角に投球すると非常に怖さを感じさせるボールになるだろう。

図1 各球種のボール変化量。2シームがサイドスローの速球のようである
※2019年シーズンのデータを分析

スライダーは変化が小さい縦スラ系のボールである。しかし、2シームのシュート成分が大きいため打者は変化を感じやすいだろう。右打者の外角への投球できるとピッチトンネルを構成しやすくなり、ゴロも空振りも奪える勝負球として機能しそうだ。

表2 各球種のボール変化量。スライダーは小さく縦に落ちている
球種球速
(%)
回転数
(rpm)
横変化
(cm)
縦変化
(cm)
4シーム100
(100)
2223
(2287)
31.0
(19)
35.3
(40)
2シーム99.7
(100)
2231
(2156)
45.6
(38)
19.1
(23)
スライダー93.7
(91)
2792
(2428)
-11.0
(-14)
1.5
(5)

2019年シーズンのデータを分析。カッコ内はメジャー平均

広島の救援陣底上げに期待!

スコットの投球はほぼ2シームとスライダーのみで、球種が豊富なわけではない。しかし、2シームは日本人投手の4シームと比較しても高速で、大きくシュートする厄介なボールだ。スライダーもかなり高速で、実際より変化を大きく感じる球質である。

この2球種のみでもゴロも空振りも奪える能力があり、中継ぎ投手として十分に期待が持てる。日本では珍しい2シーム主体の投球と、高速スライダーで救援陣の底上げを果たせるか注目したい。

動画:スコットのメジャー時代の投球。スライダーと2シームでゴロに打ち取っている

テイラー・スコットのプロフィール

テイラー・スコット Tayler Scott
1992年6月1日生まれ、27歳、右投げ右打ち
マリナーズ・オリオールズ2019-広島2020
通算メジャー成績
13試合 0勝0敗 防御率14.33

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Baseball Geeks 編集部